
皮膚科・小児皮膚科
皮膚科・小児皮膚科
皮膚は私たちの体を外部の刺激から守る大切なバリアです。しかし、環境の変化や生活習慣、体質などによって、さまざまな皮膚のトラブルが引き起こされることがあります。当院では、アトピー性皮膚炎、湿疹、肌荒れ、にきび、蕁麻疹、アレルギーなど、幅広い皮膚疾患の診療を行っております。
アトピー性皮膚炎は、慢性的なかゆみと炎症を伴う皮膚疾患です。遺伝的要因や免疫系の異常、環境要因が関係していると考えられています。
正しい診断、重症度を評価したうえで、①原因、悪化因子の検索と対策②スキンケア③薬物療法が治療の基本となります。
重症例では、以前はコントロールが難しい疾患でしたが、注射・内服などの全身療法の登場により日常生活に支障がない状態に症状を抑えることができるようになってきました。
当院では、デュピクセント®(デュピルマブ)をはじめとした生物学的製剤やオルミエント®(バリシチニブ)などのJAK阻害薬による治療も行っており、従来の治療でコントロールが不十分な患者様にも対応しております。
重症度やライフスタイルに合わせて患者様に最適な治療法をご提案しますので、お気軽にご相談ください。
デュピクセント®(デュピルマブ)について
デュピクセント®はアトピー性皮膚炎の皮疹やかゆみの原因となっている「IL-4」と「IL-13」というサイトカインの働きを直接抑えることで、皮膚の炎症反応を抑制するお薬です。今までの治療で十分な効果が得られなかった中等度以上のアトピー性皮膚炎の方に対して、高い改善効果と安全性を示しており、これまでにない優れたアトピー性皮膚炎治療薬です。
生後6ヶ月以上の小児にも使用が可能です。
現在、その適応疾患が拡大され、結節性痒疹や慢性蕁麻疹の方に対しても優れた治療効果が認められています。
湿疹は、かゆみや赤みを伴う皮膚の炎症の総称で、肌荒れも含まれます。原因はさまざまで、刺激物や乾燥、アレルギー反応などが関与しています。また、乳児湿疹はお母さんからもらった女性ホルモンの影響や乾燥による皮膚バリア機能の低下、あせもなどが原因で引き起こされることも多いため、適切なスキンケアが必要になります。
当院では、原因検査や日頃のスキンケア指導も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
皮脂の過剰な分泌などによって顔などの毛穴が詰まり、内部にアクネ菌が増殖して炎症を引き起こす病気です。毛穴に溜まった皮脂を栄養源として、にきびのもとになる細菌が増殖し、症状が悪化していきます。
小児期から青年期にかけて見られることが多いですが、なかには大人になってから悪化するケースもあります。その場合、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、紫外線、ストレス、生活環境の変化などが複雑に絡み合っており、なかなか治りにくいのが特徴です。
・洗顔、生活習慣の改善
まずは余分な皮脂汚れや細菌を取り除くために定期的に洗顔をします。日常生活を過ごす際には、睡眠をしっかりとり、バランスの良い食事を心がけ、ストレスは溜めずに便秘なども予防します。
・薬物療法
外用治療には、過酸化ベンゾイル、アダパレン、過酸化ベンゾイル/アダパレン配合ゲル、抗菌薬などがあり、それぞれにきびの状態に合わせて使い分けます。また、外用治療で不十分な場合には抗菌薬内服、漢方薬内服、ビタミン剤内服などを行います。
・自費治療
ケミカルピーリング、レーザーフェイシャル、シルファームX(PW)、などがにきびの予防に効果的です。また、にきび痕に対してはWピコトーニング、シルファームX(CW)、VビームⅡなどが当院では治療可能です。
蕁麻疹は、突然皮膚に赤い膨らみができ、強いかゆみを伴う疾患です。原因はアレルギーやストレス、温度変化などさまざまです。まずは病歴を把握し、その上で適宜必要な検査を行っていきます。
水虫は、カビの一種である白癬菌が、皮膚の角質層に寄生することによって起こる皮膚の病気です。白癬菌は身体の色々なところに感染しますが、足白癬が60%といちばん多く、つぎに爪白癬が34%、その他にも体部や股間にも感染することがあります。診断には顕微鏡で直接みる直接鏡検が重要ですが、必要に応じて培養検査や血液検査なども補助的に行うこともあります。
熱などの刺激で皮膚・粘膜が損傷している状態が「ヤケド」です。 熱湯、火、電流の他、薬品などの刺激もヤケドの原因となります。ヤケドはとても身近な創傷で、冷却などで対処される方も多いでしょうが、自己判断で放置すると、やけど痕が残ってしまうケースもあります。後遺症のリスクを最小限に抑えるためにも早めにクリニックを受診してください。
【ヤケドを負ってすぐの応急処置】
流水、氷嚢や冷やしタオルなどで冷却し、痛みを抑えます。無理に衣服を脱ぐと皮膚が一緒に剥がれますので、衣類の上から冷やしてください。冷却後は速やかにクリニックを受診してください。
【受診後の治療】
創部の処置、抗生剤の投与、外用などの治療を行い、ヤケドの進行と感染リスクを抑えます。治療は、上皮が再生しても続きます。痛み、かゆみなどを抑えることも大切になりますので、自己判断での治療中止はおやめください。
巻き爪や嵌入爪(かんにゅうそう)は、爪が正常な形状を保てずに湾曲したり、皮膚に食い込んだりする状態を指します。特に足の親指に発生しやすく、痛みや炎症を引き起こすことがあります。巻き爪は爪の両端が内側に強く湾曲する状態であり、嵌入爪は爪の端が皮膚に食い込んで炎症を伴うものです。
深爪、合わない靴の着用、歩き方や姿勢の影響、遺伝的要因、加齢、糖尿病、スポーツや外傷などが挙げられます。
当クリニックでは、患者様の症状や爪の状態に合わせて、最適な治療方法をご提案いたします。
外科的治療(重度の巻き爪・嵌入爪)
・フェノール法:食い込んでいる爪の一部を切除し、再発しにくくする治療法です。
・爪甲部分切除術:炎症がひどい場合、爪の一部を取り除く処置を行います。
・肉芽除去:感染が進んでいる場合は、膿を取り除き、肉芽を除去します。
巻き爪や嵌入爪は放置すると悪化し、痛みが強くなったり、感染症を引き起こしたりするリスクが高まります。痛みを感じたら、早めに専門医の診察を受けることが重要です。当クリニックでは、痛みの少ない治療方法を提供し、患者様一人ひとりに合った治療を行います。
水いぼは、正式には伝染性軟属腫と言い、伝染性軟属腫ウイルスへの感染によって発症します。健康な子どもでは半年から3年以内に自然治癒することも多いですが、アトピー性皮膚炎があると罹りやすく、広がりやすいと言われています。いぼの大きさは1〜5mm程度で表面はつるつるしていて光沢があります。からだのどの部位にも発症する可能性があります。かゆみを伴うことがあり、ひっかくことで内容物(軟属腫)が飛び出して別の皮膚に付着して感染が広がることがあるため注意が必要です。
専用ピンセットで摘除します。痛みを伴うため、必要に応じて局所麻酔薬テープを使用します。
成長とともに抵抗力がついてくると自然治癒することが多いため積極的に治療をするかは当人、ご家族と相談の上で決めていきます。
・内服薬
内服薬ではトラニラスト(リザベン®)が有効であるとされています。また漢方薬の柴苓湯が使われることもあります。
<塗り薬>
塗り薬として効果のあるものにはいくつかあります。炎症を抑える目的での、アンテベート®をはじめとするステロイド軟膏・クリームや、非ステロイド系抗炎症剤、ヘパリン類用物質であるヒルドイドソフト軟膏®などです。炎症が軽度な肥厚性瘢痕は治癒する可能性がありますが、ケロイドは塗り薬だけで治療することは難しいのが現状です。
・外用薬
ステロイドの外用薬や貼付剤を使用します。炎症のある軽度な傷跡であれば外用薬で改善する場合もありますが、肥厚を伴う場合には長期間の貼付剤使用が改善に役立ちます。
・局所注射
ステロイド(ケナコルト®)を局所注射することで外用治療で治療が難しい肥厚性瘢痕を治療することが可能です。
・レーザー治療
VビームⅡ(色素レーザー)やシルファームXなどの機器を用いた治療の有効性が報告されています。現在は保険適応されていないため、当院では自費治療にて行っております。
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